深夜二時を過ぎたら、恋は記録に残らない
あらすじ
外資系ホテル「オストランダー」の立て直しを任されたIolanthe・Vetterli、通称Yola。期限はきゅうじゅう日。サインした行動規約には、ハラスメント相談ひとつで自分のキャリアが終わると書いてある。けれど彼女はまだ知らない。この建物を丸ごと切り捨てるつもりでいるのは、ほかでもない雇い主のほうだということを。 六年間、このホテルの夜を守ってきたのはOttoline・Sarkis-Reyes、みんなが呼ぶ名前はOtto。彼女は毎晩、静かに四十室を無料で人に渡していた。せんきゅうひゃくにじゅうしち年から誰も開いていない、古い台帳のページの上で。 最初はただの取り決めだった。深夜二時を過ぎたことは、何ひとつ数えない。それだけのはずだった。非常階段、使用停止中の客室、監視カメラの死角。人目を避けて重ねた時間は、いつのまにか二人だけの秘密になっていく。指先が触れるたび、声が低くなるたび、戻れない場所へ近づいていくのがわかる。 そして、二人を破滅させるはずだった書類の山が、このホテルを救える唯一の証拠に変わる。 静かな夜と、言葉にならない距離。朝が来る前に、名前の呼び方だけが変わっていく——大人の恋愛サスペンス。
チャプター 全24話中6話無料
- 1 ストップウォッチを持った女 無料
- 2 九十日、この数字は誰にも渡さない 無料
- 3 深夜シフトと、四階のリネン室 無料
- 4 署名できない一枚 無料
- 5 深夜二時を過ぎたら、何も数えない 無料
- 6 四番カメラの十一秒 無料
- 7 契約書の二枚目 ロック中
- 8 故障中の七〇四号室 ロック中
- 9 深夜四時、設備主任が差し出した取引 ロック中
- 10 シナリオC、私の名前で ロック中
- 11 四百六人の招待客と、止まった空調 ロック中
- 12 ドアは、最初から開いていた ロック中
- 13 金曜日までに、決めて ロック中
- 14 月曜の朝、封筒ひとつ ロック中
- 15 夜が明けるまでの、ほんの少しの本当 ロック中
- 16 金曜日、ごじまで ロック中
- 17 千九百二十七年の台帳 ロック中
- 18 信用を、奪われる朝 ロック中
- 19 名義人になるということ ロック中
- 20 あと三十日 ロック中
- 21 九十年分の記録、理事会にて ロック中
- 22 二番目の筆跡 ロック中
- 23 深夜のルールは、今日で終わりにします ロック中
- 24 記録に残す、二時の光 ロック中