人狼の物語

ショートドラマ、連載小説、オーディオブック。数分で夢中に、何日も忘れられない。

燃え跡の誓い、消すはずだった狼に溺愛されています

燃え跡の誓い、消すはずだった狼に溺愛されています

山火事調査官のセサリー・アーダウは、上り斜面を駆け上がるはずのない三件の異常な燃焼を説明するため、アッシュフォール・リッジへ向かった。そこで彼女が掴んだのは、口にすれば誰かの人生が終わる秘密だった。この土地の消火部隊を仕切っているのはケトルバック一族の狼たちで、その長であるマラキー・デヴェローは、彼女を生かすためだけに炎の壁の中へ歩いて入っていったのだという。 手のひらに残る火傷の痕は、ただの傷ではなかった。にじゅうに年前、死にゆく一匹の狼が彼女に繋いだ絆の名残り。半分だけ結ばれたその糸は、いま内側から彼女を蝕んでいる。そして協約法の下では、糸の向こう側にいる男にとって、それは死罪にあたる罪だった。 生き延びるために選ばなければならない。彼女を合法にできる、規律に忠実な守護官か。決して彼女を自分のものにしないまま死ぬつもりの、あの狼か。それとも——西の狼たちの土地を焼いている火が、彼らを守ると誓った組織自身の承認印を押されていたという、その事実か。 冷たい横顔の奥で、マラキーはずっと前から彼女を見ていた。気づいていないのは、彼女だけ。

完結 人狼 ファンタジー

雪に閉じ込められて、氷の獣人アルファに溺愛されています

雪に閉じ込められて、氷の獣人アルファに溺愛されています

Sunniva(スニーヴァ)——みんなからは「Nivi(ニヴィ)」と呼ばれている。弟のToby(トビー)が獣人として目覚めてしまった日から、私の人生は逃亡の連続になった。コンコルド領の「名簿」に弟の名前が書き込まれる前に、なんとかこの土地から連れ出さなきゃいけない。 でも、凍った路面にハンドルを取られて、トラックは谷底へ。目を覚ました私を雪の中から掘り出したのは、Rurik Vondrak(ルリク・ヴォンドラック)——冷酷で、誰もが恐れる隣の群れのアルファだった。 彼は、毒のせいで匂いを感じ取る力を失っている。なのに、どうしてか私の匂いだけは分かるのだという。 「三日後に役人が来る。それまで、俺の番のふりをしろ」 そうして始まった、よんじゅう日間の偽りの求愛。ひとつ屋根の下、見張りの目に囲まれて。素っ気ない態度の裏で、彼は私が食べられないものを覚えていて、寒がる私のためにいつの間にか薪を足している。……この人、本当は何を考えているんだろう。 ふりのはずだった絆は、少しずつ本物に変わっていく。けれどその頃、私はひとつの事実にたどり着いてしまう。彼から匂いを奪った毒は、母が遺した調合書と同じものだった——。 群れも、弟も、そして私自身も。すべてを「合法的に」奪いに来る者がいる。その足音は、もうすぐそこまで来ていた。

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